インストール済みのフォントなのに、イラレ等で存在しないとエラーが出る

インストール済みのフォントなのに、Adobe Illustrator等で「存在しないフォント」とエラーが出て、色々と悩んで試行錯誤した結果「なにその原因!?」と思った事例があったのでご紹介。

フォントのバージョン違いの可能性があります

フォント名は同じでも、バージョン(仕様)違いの可能性があります。

具体的には、フォント名は同じでも

Std / Pro / Pr5 / Pr6

とバージョンが違うだけで同一フォントとみなされません。

具体的なエラーメッセージ

GothicMB101Pr6N-Medium-90ms-RKSJ-H:
フォントがシステム上にありません。見つからないフォントは代替されました。

フォントバージョンの注意すべき部分

GothicMB101Std-Medium-90ms-RKSJ-H
GothicMB101Pro-Medium-90ms-RKSJ-H
GothicMB101Pr5-Medium-90ms-RKSJ-H
GothicMB101Pr6-Medium-90ms-RKSJ-H
GothicMB101StdN-Medium-90ms-RKSJ-H
GothicMB101ProN-Medium-90ms-RKSJ-H
GothicMB101Pr5N-Medium-90ms-RKSJ-H
GothicMB101Pr6N-Medium-90ms-RKSJ-H

これ全部モリサワのフォント「ゴシックMB101 Medium」ですけど、すべて違うフォントとして扱われます。

フォント仕様の解説

Adobeが日本語フォント用に作った規格。
文字セットバージョンに適合しているかどうかで決まりますが、下にいくほど文字セットバージョンが上がり、カバーしている文字数も増えます。

Std:Adobe-Japan1-3( 9,354文字)
Pro:Adobe-Japan1-4(15,444文字)
Pr5:Adobe-Japan1-5(20,317文字)
Pr6:Adobe-Japan1-6(23,058文字)

このため、上位の仕様であるフォントをインストールしてある場合は、下位仕様のフォントは不要です。
フォントを選ぶ際の選択メニューが無駄に増えるので、下位仕様フォントは消しましょう。
そしてイラレ上で、上位仕様のフォントに置き換えるのなら不具合は出ません。
下位仕様のフォントに置き換えると文字が「?」や空白に置き換わることがあります。

StdN、ProN、Pr5N、Pr6N(通称:Nフォント)

N付きは168文字だけ字形が変更されていることを表す。
「辻」「逢」という字のしんにょう部分の点が、Pr6だと1個、Pr6Nだと2個になっています。
「飴」「鯖」「揃」「豹」などもPr6Nの方が旧字体に近いです。
正確には「JIS2004(JIS X 0213:2004)の規格に適合している」状態。

N付きとN無し、どちらのフォントを使えばいいのか?
Windowsの標準フォントが2004年からNフォントに移行したため、顧客環境のパソコンで入力できる以上、Nフォントを使うことが必要不可欠になりますね。

ちなみにProやPr6などに見られる「Pro」という表記は、プロ用でも、商用利用可能を表しているわけではなく、「他の姉妹品よりも文字数が多いから商業印刷にも耐えられるよ」という意味だったりします。自分はずっとプロ用だと思ってました。

まとめ

  1. フォントが無いと言われたら、Std、Pr6などの仕様をチェックしてみよう。
  2. モリサワパスポートを使っている場合は、詳細設定が隠れているので表示して再確認。
  3. できるだけNフォントを使っていこう。

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